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4月5日
夜通し蚊に悩まされながら(窓枠に隙間があるから入ってくる!)なんとか熟睡し、朝6時には起床。鳥の鳴き声で目覚める最高の朝だった。夜中には土砂降りの雨が降ったから、もしかしたら今日は公園に入れないのではないかと、不運を嘆いたが、朝には雨が止んでおり、霧が一面に立ち込めていた。この朝靄は7時過ぎになるとすっかり湯気が登っていくように山のてっぺんに吸い込まれるように消えてなくなっていった。

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朝食も昨晩と同じ場所に座った。目の前のパノラマの景色がもう一つのご馳走だ。朝は昨日いなかった奥さんがいて、コーヒー?って聞いてくれた。昨晩はポークソテーと豆とお米とポテトの炒めものとジュース。朝食は、スクランブルエッグと食パンと豆のチャーハン、そして自家製らしいチーズだった。シンプルだけどとても体が喜んだ。

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一番乗りしようと、8時15分前にはボルカン・テノリオ国立公園の入り口前にスタンバイした。カップルが1番だったから2番乗りだった。やがてゲートが開き、入場料6500コロンを支払っていよいよ入山。セミなんだろうか?木の上の方から心地よい鳴き声が聞こえてくる。足早に、まずはフランスの雑誌か何かが世界一の滝と評価した滝、リオセレステ(Rio celeste)を目指した。

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あと150メートルという標識まで着き、ここからは一気に階段を下っていく。だんだんと滝の音が大きくなってくる。そして木々の先にちらりと現れた滝と滝壺の鮮やかな、ターコイス色の青に心を奪われた。世界一の名に恥じない美しさ。いつまでも流れ落ちる大量の水。滝壺から川へと流れ出るその水も神秘的にもターコイス色のままだった。何時間でも見ていられるが、温泉(入浴はだめ)があるという上流に進むことにした。

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滝の上流へと歩みを進めると、川のところどころから水が噴き出している。温泉だ。更に進んでいくと、溢れんばかりに温泉が湧き出しているところがあった。ものすごいエネルギーだ。ここからもっと上流に進むと、一変してとても静かでゆっくりとした時間が流れていた。美しい青白い色の川に、鳥やセミの鳴き声が聞こえる。ここは地球の心臓部なのだろうか。天国に最も近い場所なのかもしれない。しばらく呆然と地球と一体となるように瞑想した。息を吸い、息を吐く。この空気がこの森で生み出せされていることを感じた。これ以上もなくこれ以下もない。ただここに今存在すること。それだけで最高の幸福感を感じることが出来た。

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予定よりも長くここで佇み、自然に溶け込んでいた。じっくりと目で観て、耳で聴き、心で感じ、体でたっぷりと地球に触れた。どれぐらいいただろうか。そろそろ行こう。ふとそう思う瞬間があって、山を下っていく。不思議と異様に体が軽くなっていて、文字通り山を駈け下がって行った。こんなに走ったの、いつぶりだろうか?それほど嘘のように体が軽く、飛び跳ねながら下っていった。途中、小川の水を飲み、進んでいく。これまた美味しかった。戻る頃には多数の来訪者が山を登り始めていた。朝一番でこの山を体感出来たことは幸運だったと思う。

最高の満足感で山を降り、再びアレナル火山を目指した。テノリオと比べるとアレナル火山周辺はレストランがあり、観光案内所があり、ホテルがいくつもあるなど観光地化されており、正直あまり魅力を感じていなかったが、一応は見ておきたいというぐらいの気持ちで2時間かけて戻った。昼食はスーパーで仕入れたパンと、トルティーヤとサルサソースだ。もともと車で寝ることを想定していたので、食糧を多少買い込んでいた。

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アレナル火山にも滝があるというのでアレナル火山国立公園を目指して進んだ。途中、バルディー(Baldi)という温泉リゾートを通過したが、リゾート施設には決して入るまいと心に誓っていた。それから数キロ進んだ道の両脇に車が路上駐車しているのが気になった。車を降りてどこかへ行こうとしている人たちも見えた。何かあるとピンときて、引き返して駐車し、歩いて何かありそうな場所を覗きこむと川に浸かっている人たちが見えた。涼みに来ている地元民だろうと思いつつ、崖を降り、川に手を入れてみると温かい!なんと川全体が温泉だった!これには驚き、心躍った!随分前にヨルダン渓谷にある同じく川そのものが温泉になっている場所で入浴した時もとても感動したものだが、ジャングルのような森の中を流れる川の温泉に入れるなんて興奮のあまり、大急ぎで車に戻って着替え、競うように川に浸った。

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温度は38度ぐらいだろう。熱すぎず、温すぎずの見事な適温で、上流から下流まで均一な温度であることに大変驚いた。調度良い温度で都合よく流れて来るなんて、奇跡の川だ。国立公園で滝を見るなんてことはもうどうでも良くなって、出来る限りここに長くいようと2時間ぐらいの間、気に入ったスポットを見つけ寝転んだ。時折、大きな鳥が飛来しては飛び去っていく。地元の若者はバナナのようなものを採り、美味しいんだと教えてくれた。お酒を飲んでる若者グループは、時折大騒ぎ。そんな騒音も心地良かった。

無限に流れてくる温泉に浸かりながら、地球の体温、マグマの熱を体全体で感じ、ただただそのエネルギーに圧倒されていた。ジャングルが生み出す空気をタップリと吸い、そしてその空気を体に吸収してから吐き出す。そして温水を飲んでみる。水、空気、熱、そして動植物。全てがここで生み出されてここに存在している。ここに自分も存在し、一体となるように呼吸していたら、深遠なる平和を感じずにはいられなかった。ここに答えがある。この美しい自然に。自分も含めた全ての命が育まれているこの大自然に答えがあると。

ここで過ごした時間は一瞬が永遠に思えた。そしてこの一瞬、一瞬が過ぎ去ることを愛おしく思いながらも、一瞬、一瞬を有難く噛み締めながらただただそこに存在していた。

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この大自然の中で、温泉に浸かりに来た人々は、誰もが幸せそうな顔をしていて、入る場所を譲りあうようにそれぞれがそれぞれの時間を楽しんでいた。大自然を前に人々がかけがえのない時間を共有している。大自然からのギフトを互いに受け取り、それを楽しんでいた。争いが起こる原因が全く存在しない場所だった。ディープピース。深遠なる平和を感じた。そして平和とはここのような状況のことを言うのだろうかと何かヒントを得る体験となった。

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