余市ピースワイン・プロジェクトは、ワインづくりを通じて世界の多様な国籍、文化の人びとが交わり、共生することを体験したり、考えたりする機会を創出するために、ユナイテッドピープル株式会社と、NPO法人 北海道エコビレッジ推進プロジェクト(余市エコビレッジ)との共同プロジェクトとして2022年に開始しました。2025年に最初のワイン試作を目指しており、販売収益の一部を国際協力活動を行うNGOへの寄付し、戦争や紛争の被害を受け、助けを必要とする人々へ資金協力する計画です。

5年で100カ国からの本プロジェクトへの参加を目標としております。1年目である去年は、新たに開墾した1,000㎡に約300本のブドウ苗を植え、のアフガニスタンから日本に避難してきた家族を含め、アメリカ、イギリス、タイ、中国、フィリピン、モンゴル、ナイジェリア、パプアニューギニア、シオラレオネなど合計16カ国からの参加者を受け入れました。

5月24日に実施した2年目となるブドウの植え付けイベントには「国連平和の鐘を守る会」の代表高瀬聖子さんをお招きし「国連平和の鐘」のお話をしていただきました。また、ロシア料理&カフェ ペチカ オーナーで、ロシア人ハーフの兵頭ニーナさんをお招きしました。さらに1000㎡を開墾し、約300本のブドウ苗を植えました。今年の参加者は、イタリア、イスラエル、オーストリア、韓国、タイ、ドイツ、香港、ロシア(ハーフ)の日本を含めて9ヶ国にルーツのある皆さんでした。

去年ロシアがウクライナに侵攻してから2年となりました。今年の植え付けにはロシア、ウクライナ双方からボランティアをお招きしたかったのですが、参加を予定していたウクライナ避難民の高校生が授業の都合で急遽来れなくなってしまいました。国同士が戦争していても、平和を願う気持ちは双方同じだと思います。ニーナさんは戦争勃発以後、ウクライナ避難民の音楽家に演奏を場を提供するなど「国は国、人は人」と支援を続けて来られた方でしたので、ぜひとも実現したいことでしたが、叶いませんでした。しかし結果的に、世界各地からのボランティア参加があり、兵役を経験したイスラエル、韓国からの若者たちなどと触れ合いながら、平和の意味を噛みしめました。

世界絶対平和を願い、世界65ヶ国のコインとローマ法王から受け取った9枚の金貨を溶け合わせて完成させた国連平和の鐘。その1kgの鐘を高瀬さんから受け取り、ニーナさんが鳴らして植え付けが開始されました。素晴らしい天気に恵まれ、皆楽しみながら、協力し合って無事作業を終えました。その後はランチを交えて自己紹介したり、それぞれがこの日の体験の感想を述べ、あらためて高瀬さんからはなぜ、実父である中川千代治さんが国連平和の鐘を造ったのかというお話がありました。最後には元々プロの歌手だったニーナさんが歌ってくださり、お開きでした。

皆の感想に共通していたことは楽しいということ。様々なバックグラウンドを持つ多様な皆さんが知り合い、交わり楽しむこと。平和の実現は難しいことではなく、このような場を作ることに答えがあるのではないかと実感した一日でした。

参加者:国連平和の鐘を守る会代表 高瀬聖子さん、ロシア料理&カフェ ペチカ オーナーの兵頭ニーナさん、登醸造 小西さん、じきの畑 村田さん、モンガク谷ワイナリー一同、余市町地域おこし協力隊、ユナイテッドピープル株式会社関係者一同、余市エコビレッジヴィンヤードクラブメンバー、帯広畜産大学学生有志 他


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