日本古来の言葉、大和言葉では働くことを、「傍楽」と解釈する。

 「傍」は周りを意味する。「楽」は文字通り楽しくさせることや、楽にさせるという意味だ。だから日本には古来から働く意味は、自己の幸せのみならず、周りの幸せのために働くという意味があった。人は何のために働くのか。実際に自分自身に問いかけてみて欲しい。自分の幸せのためが出発点でいい。でもだんだんと周りにいく。家族のため、友達のため、友達の友達のため、広げていけばみんなだ。逆に言うと、一人だけ幸せになっても幸せにはなれない。一人で孤独に食事をするよりも、みんなで食事した方が楽しいのだから。幸せの反対は、孤独かもしれない。

 働くこと、幸せになること。それは自分も周りも幸せにすること。人間本来そうしたいと誰もが思っているはずだが、時に自分たちのためなら他人は傷ついてもいいと行動するのはなぜだろうか。そのような行為は改めなければならない。極論だが、アメリカが2003年にイラク戦争を仕掛けた時、日本政府は原油の9割を中東に依存しているから、同盟国アメリカの軍事行動に賛同するとした。国連を無視した単独軍事行動で、大した根拠もないのにイラクに戦争を仕掛け、大量の人々を殺戮したアメリカ。そのアメリカのイラク戦争に、日本の自衛隊を送り、アメリカ国債を買うことで戦争を支えた日本はアメリカと一緒にイラク人を殺戮した共犯国だ。すべてはつながっている。行動の先にあるものを見なければならない。目先の原油、目先の電気、目先の経済にとらわれていては、誤った判断をしてしまう。


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