映画「幸せの経済学」の上映&トークイベントが終わった。トークは辻信一さん。スロームーブメントの仕掛け人であり、幸せの経済学にも出演している、僕が今最も重要視しているメッセンジャーのひとりだ。幸せの経済学の監督であり、世界のローカリゼーション運動のパイオニア的存在であるヘレナ=ノーバーグ・ホッジさんと近い関係で、ヘレナさんを辻さんがインタビューした本「いよいよローカルの時代」を辻さんは出版している。そんな辻さんへの講演依頼は震災前から数えて3回目だった。

「今、ここにいる皆さんも数十年後にはこの世にいなくなります。そういう僕は皆さんよりももっと先に死にます」

「3.11に原発事故が起きましたが、僕たちはこの事故の前から反原発を訴えてきた。自分たちが生きている間に解決できない核廃棄物を大量に今も生み出し続けているんです。もっと危機感を持たないといけない。100000年後の安全という映画が話題になったけど、10万年もの間、核廃棄物を安全に管理することなんて出来ますか。反原発も原発賛成というレベルの話じゃないんです」

原発事故が起きて、その危険性が周知されたのに、なぜこんなに危険な原発を再び動かそうとする人がいるのか。

辻さんが言うように、

「最大でも2年先しかみていない」

ということなんだろうか。実際には企業のサイクルはもっと早い。四半期決算だから、目先の利益がどうしても重要視されてしまう。そういう仕組なんだ。資本主義経済で、株式市場があって、株主がいて、株主は儲けたい。儲けるためには10年先、100年先のことなんて関係ない。極度に変化が激しいグローバル競争に負けまいと、企業は闘い、株主還元をするために日々の経済活動をしている。何かが犠牲になっている。

闘いを勝ち抜くために、株主に利益を還元するために、倫理的な感覚が欠落してしまっている企業が結構あるのではないか。目先の利益を追い求めて、孫の世代どころか、永遠と続く生命につけを回していいのか。企業は企業活動のあり方を、消費者は消費者としての消費行動を、それぞれの立場でスタイルを大きく変えていかなければならない。

「3.11後、世界は変わったんです」

辻さんのこの言葉にはっとさせられた。

なぜなら震災後4ヶ月が経過して、社会が徐々に元通りになりつつあると弱気な感情も出入りしていたからだ。節電もそのうち原発再開により必要なくなり、かつてのような欲望に満ち溢れた消費社会が戻ってしまうんではないかと、少なからず心配していた。そんな自分を反省した。

社会は変わるものではなく、変えるものだった。

誰かに任せて、変わったなとか、変わらないなと傍観して嘆くのではなく自らが変えていくんだ。
なぜなら変えられるから。

ガンジーの言葉がある。Be the change you want to see in the world.
自らが、自らの見たい変化となること。自ら変えるということ。ポスト3.11。自分が見たい世界に自分が住むこと。それを身近で始めること。

最近「変えること」をオセロゲームに例えている。
一気に全部は真っ白にできない。ちょっとずつ白を置いていく。数では負けていても、賢く置いていけば、逆転だってできる。世界は塗り替えることができる。歴史が証明している事実だ。

だから、あきらめず、嘆かず、批判もほどほどに、自らの行動で変えていこう。どんな問題だって解決の糸口はあるから。できる、できる、できる!

今日の一曲。

今日の反省。
昨日飲み過ぎました。

今日の感謝。
素晴らしい出会いが、昨日も今日も続きました。ご縁のあった皆様に感謝です。


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