しばらくの間コスタリカに暮らすために、4月から世界を巡りながら、世界各地を訪問しています。比較的長めに滞在したインドネシアのバリ島ウブドでは、2014年にダライ・ラマ法王からアンサング・ヒーロー賞2014に選ばれた濱川明日香さんにインタビューしました。この賞は、ライフワークとして献身的な社会貢献活動を行う活動家が、4年に1度、世界から50人選ばれ、授与されています。
ウブドはバリ島の内陸に1時間ほど車を走らせた田園風景が美しい、芸術が盛んなエリアです。映画ではジュリア・ロバーツ主演映画『食べて、祈って、恋をして』の舞台になったことからも、多くの観光客が押し寄せる人気スポットですが、ここには地球規模の課題を解決するために活躍する、意識の高いアントレプレナーたちが数多く存在しています。
世界中のセレブが講演にやってくる世界トップレベルのサステイナブルな環境で学べるグリーンスクールがあるのがウブドですし、途上国支援を行うコペルニクの拠点もウブドを本部にあります。2011年に、CNNヒーローとして選ばれたロビン・リムさんもウブドで助産院を運営しています。私自身とウブドとの縁は、2011年に映画『happy – しあわせを探すあなたへ』に興味を持ち、ウブドに住むこの映画のメインプロデューサー清水ハン英治さんに会いに来たことです。その後、映画『happy』を公開しましたが、ウブドが大好きになり、その後何度も訪問しています。
そんなウブドでアンサング・ヒーロー2014の受賞者濱川明日香さんと、夫の濱川知宏夫妻が2014年10月に創業したのがアース・カンパニーです。アース・カンパニーは、グリーンスクールを東チモールに設立するプロジェクトを応援したり、ロビン・リムさんの運営するブミセハット助産院を応援する「支援を支援する」というユニークな取り組みを行っている団体です。1年に1人のインパクト・ヒーローを選んで、そのヒーローが行う活動を1年を通して支援しているアース・カンパニー。今年6月まで支援しているロビン・リムさんの活動についての動画がこちらです。
ロビン・リムさんは、妊娠中だった妹さんを妊娠合併症で失くしており、このことがきっかけで、人生の目的が愛であることに気づき、救える命を救うための活動を始めた方です。なぜ、ダライ・ラマ法王からヒーローとして認められた濱川明日香さんは、別のヒーローを応援する道を選んだのか?インタビューを御覧ください。
※インタビューの完全版はユナイテッドピープル・ファミリーに公開します。
ブミセハット助産院新設のための資金集めは、6月末までの募集とのことです。詳しくは、アース・カンパニーのウェブサイトをご覧ください。
インタビューを終えて
支援対象を選定するときに大切にしているのは「規模ではなく深さ」であるとおっしゃっていたのが印象的であり、またとても共感するポイントでした。世界規模の課題と向き合っていると、世界の7人に1人が飢餓貧困で困っているからどうかとか、統計的な数字がよく出てきます。それらの人々にどれだけの食糧が配れたということは、大切であることには違いありませんが、統計数値では自分の行為がどんな効果を産んだのか、実感は得られにくいもの。
一方で、たった一つの命であっても、ロビン・リムさんのように、決して失わぬよう深い愛を注ぎ、その結果この世に産み出す命には、計り知れない「深さ」があります。命を守り、生み出されたことで、人が生きると書いて、文字通り一人の人生が生まれます。そして、それぞれの命が、人生というドラマの中で命を輝かせ、繋いでいく。その命のバトンの壮大な物語が始まる大切な部分に一所懸命に向き合うロビン・リムさんの姿には、統計数値では表せない、愛の深い輝きを見出すことができます。それも20年以上、無償で8,000人の命をこの世に送り出してきたのですから。
濱川さんのインタビューの直後に、ブミセハット助産院に足を伸ばしました。診療を邪魔しないよう、見て回りましたが、ちょうど目の前にロビン・リムさんが現れ、少しでしたが志事ぶりを拝見することができました。マザー・テレサのような方と、濱川明日香さんが賞賛するロビン・リムさんは、将来、マザー・テレサのように人類の歴史に名を刻まれるのでしょう。
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