ノーベル平和賞受賞 デニ・ムクウェゲ医師来日講演会「平和・正義の実現と女性の人権」の裏方のお手伝いをしつつ、お話しを聞きました。

●深い悲しみと怒りは、彼を突き動かし病院を飛び出させ、世界へ。

デニ・ムクウェゲ医師が治療した最年少の性暴力被害者は生後わずか6ヶ月。内臓が破裂していたといいます。被害者の最年長は80歳。次から次へとやってくる被害者を治療しても治療しても終わりが見えない。彼は、病院を飛び出し、この残虐な人道危機を世界に訴え始めます。

「コンゴは本当は豊かな国。しかし、私たちの豊かな天然資源を多国籍企業が独占し、私たちは恩恵を受けていません。鉱物資源が紛争の原因です。」

「携帯電話に使われている鉱石コルタンの8割はコンゴにある。その産地は性暴力がある地域です。携帯を使っている人々には責任があるのです。沈黙が問題です。金やコルタンを採掘するために、女性や子供が第一の被害者になっています。」

日本には、

「犯罪者たちを処罰するために声をあげてほしい」

と訴えました。

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10月30日に、去年ノーベル平和賞を一緒に受賞した、ナディア・ムラドさんと、性暴力被害者のための基金を立ち上げるとのお話もありました。

絶望の淵から、未来を塗り替えるため、自らの命の危険を顧みず、勇気を持って立ち上がり、時に拳を突き上げながら力を込めて訴え続ける姿に、心を打たれました。

平和で公正な世界のために、私たちは何ができるでしょうか?すべきでしょうか?

※こちらもぜひ。

性暴力告発、男性も加わろう=ノーベル平和賞のムクウェゲ医師講演:時事ドットコム

2019年10月3日 外国特派員協会における記者会見の発言

「私たちの闘いにおいて、「レイプの中心地」と呼ばれているコンゴでは、国内においても国際的にも、法律や人権の面でほとんど何も実行されていない。

国連人権高等弁務官がコンゴで調査を行い、2010年に「マッピングレポート」を公表した。この報告書で、「虐殺」の罪を含む、617件以上の戦争と人道に対する罪が明らかになった。残念なことに、コンゴでは、第二次世界大戦以降、世界中で最多の紛争犠牲者を生んだ。1996年に開始したコンゴ紛争で600万人以上が亡くなり、400万人が避難民となった。」

コンゴの性暴力に関心を ノーベル平和賞のムクウェゲ氏、広島で講演 中国新聞デジタル

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デニ・ムクウェゲ医師、そしてナディア・ムラドさんについてのドキュメンタリーをユナイテッドピープルで配給しています。

映画「女を修理する男

映画「ナディアの誓い


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