戦後70年という節目に、日本は平和国家のままでいられるか瀬戸際です。ほとんどの憲法学者が「違憲」「憲法9条に反する」と判断している安保法案が成立すれば、集団的自衛権の行使が可能となり、自衛隊が武力行使できるようになります。そうなれば、もう世界に誇る平和国家ではなくなってしまいます。それでいいのでしょうか?
「積極的平和主義」それとも「積極的戦争主義」?
思い起こせば積極的平和主義という言葉がよく聞こえるようになったのは中東で日本人人質事件があってからのこと。ジャーナリスト後藤健二さんがIS(またはISIL、イスラム国)に拘束されているころ、安倍総理は中東を歴訪し、積極的平和主義の理念にもとづきテロとの戦い、ISIL対策として2億ドルの支援を約束。その後、後藤さんが無惨にも殺害されてしまったことは記憶に新しい出来事です。テロとの戦いを積極的に行うことが積極的平和主義とでも言うのでしょうか?テロと戦うとはどういうことなのか?紛争とはどういうことなのか?この夏公開するドキュメンタリー『それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~』を観たら実感できるはず。
また、「平和」とは逆のことが行われています。去年4月には武器輸出三原則が緩和され、日本政府はオーストラリアへの潜水艦技術供与を決定。マレーシアやフィリピンへの武器輸出を行うとしています。先月5月18日には戦後初めて国際防衛見本市が開催されるなど、戦争ビジネスが活発化しているのです。
「積極的平和」のそもそもの提唱者、ガルトゥング博士を日本に!
安倍政権が多用する「積極的平和主義」。実は平和学では「積極的平和」とは、有名なコンセプトであることを知りました。「積極的平和」とは、貧困、抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態のことをいい、決して「テロとの戦い」に勝利して、脅威を取り除くようなことではないのです。
この「積極的平和」を提唱したのは、平和学の第一人者で世界的に「平和学の父」と知られるヨハン・ガルトゥング博士であることを知りました。世界中の大学で平和学を教えて来られ、これまでに世界100ヶ所以上の紛争調停をしてきた実践者でもあります。これは日本に呼ぶしかない!と動いた所、ご高齢にもかかわらず、日本のことを心配してくださり、来日を決意してくれました。
Skypeで博士と話した時、安倍総理が「積極的平和主義」を旗印に掲げていることをどう思うかと聞くと、
私が1958年に考えだした「積極的平和(ポジティブピース)」の盗用で、本来の意味とは真逆だ
とおっしゃいました。
日本がすべき真の国際平和への貢献とは?
1930年生まれで今年85歳になるヨハン・ガルトゥング博士が来日する最後のチャンスになるかもしれません。来日日程となる8月19日から8月22日までの間、様々なイベントを行う予定ですが、8月19日には、ジャーナリストとして有名で、同じく80歳を超える田原総一朗さんが博士と「安保法制、憲法改正、積極的平和主義。日本はどう国際平和に貢献すべきか?」というテーマで対談してくださることになりました。
ガルトゥング博士来日を成功させるためにクラウドファンディングを開始しました。
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