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4月6日
コスタリカには国連の決議に基づき設立された大学院、平和大学(UNIVERSITY FOR PEACE、通称UPEACE)がある。1980年、当時の大統領ロドリコ・カラソが提唱し、国連決議によってコスタリカの首都サンホセから程近いシウダード・コロンという街から山を登った一角に設立された。共同設立者はロバート・ミューラー博士だ。国連決議に基づいているが、国連からは独立した機関として設立されているため独立性が保たれている。300ヘクタールという広大な土地を大統領の友人、クルース・ロハスが寄付して作られたのだそうだ。大学には平和公園が隣接されており、とても穏やかなユートピアのような環境で、毎年およそ40ヶ国から集まる生徒達がここで平和学を1年間学んでいる。

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多くの学生が住んでいるシウダード・コロンの雰囲気はサンフランシスコのバークレーそっくりで、かつてUCバークレーの授業をとっていた頃を思い出し、懐かしく思った。からっとした気候に強い日差し。周りには山が見え、丘があること。UPEACEに到着すると、平屋で白い建物にオレンジの屋根。敷地内は緑や花で美しく、平和を学ぶには最高の場所に感じられた。キャンパス内や平和公園を博士課程の日本人、浪指拓央さんに案内していただいた。カフェテリアや授業を覗いてみると、確かに世界中から生徒がやって来ており、世界の縮図のような環境で学べる生徒たちの姿を見て、とても未来に明るい希望を感じた。世界中から学生が集まり、平和を学ぶなんて大学が存在するなんて、微笑み続けた訪問だった。

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平和な大学や街から少々危険な匂いがするサンホセに戻るには気が滅入ってしまった。空港そばでレンタカーをまずは返し、レンタカー会社オーナー夫婦にサンホセ中心部に送ってもらった。途中雑談を長々としたが、この会社のオーナーととても気が合い、話が弾んだ。ほとんど同い年で同じぐらいの社歴。数台から始めて今は25台も貸し出すほどに。7000平米の土地を購入済でそこにホテルを建設するのだとか。カリブ海と太平洋に囲まれたコスタリカは魚介類が豊富で安く手に入るから寿司屋をホテルでやらないかなんて誘われたり。あっという間にサンホセ中心部に到着。彼とは再会を約束した。

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その後は国連平和大学生、海外青年協力隊員、語学留学中の学生と情報交換した。笑ったのが、隊員から教えてもらったことで、一日の始まりに何をするのか会議をするが、まずティータイムに何を出すのかということを真剣に会議することから始めるのだとか!休み時間についての会議から始めるなんでなんてのんきな人々なんだろう。あとはコスタリカの影の部分について。森林を保護し、エコツーリズムは先進的な国だが、環境意識は決して高くないらしい。いわゆる環境の3R(レデュース、リユース、リサイクル)は根付いておらず、ゴミのポイ捨てが多いとか。年間6億本以上ペットボトルが消費され、そのうち5億本も川などにポイ捨てしてしまっているというニュースが最近あったそうだ。ゴミについては約9割が埋め立てで、残りがリサイクルと焼却とのこと。2020年までに埋め立て地が満杯になるからどうすべきか国で議論が進んでいるという。日本ではゴミの多くは焼却かリサイクルされていて、埋め立ての割合は5%未満。比較にならないほど低い。コスタリカで焼却炉が少ないのは設備投資費、運転費をまかなう財源がないのだからという。平和、自然保護、自然エネルギーの3点で大いに日本はコスタリカから学べることがあるとこの旅で確信したが、ごみ処理や大気汚染対策など逆に日本がコスタリカに教えられることも多くあると気付かされた。


平和ってなんだろう―「軍隊をすてた国」コスタリカから考える (岩波ジュニア新書)

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