以前、薬師寺を訪問した時のこと。薬師寺のとある方が案内をして下さりながら、このようなことをおっしゃった。

「関根さん、あちらから歩いてくるすべての人はあと30年もすれば皆この世にいないんです」

 向こうから歩いてくるのは50を過ぎているだろう女性たちだった。

「薬師寺で長年修行して、ようやくたどり着いた境地があります。それは、いい先祖になろうということです。自分の曾孫ぐらいになると、自分の名前すら覚えていないでしょう。名声などいりません。いい先祖になりたいのです。そのためにいい行動をしたいのです」

 今生きている人すべての人に言えること。それは、必ず死ぬということ。後どれぐらいの命の持ち時間があるのかは誰も知らないが、終わりが来る。それはロウソクの火が消えるように。どのようにその生命、輝かせますか?どう生きますか?


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