104,123人。コスタリカの人口が500万人程度だから約2%の先住民が存在していることになる。
これほど存在しているのに、コスタリカ人でも先住民のことは詳しく知らないという。

「わずかに存在しているけどジャングルの奥地で暮らしているから普段会うことはない」

以前会ったコスタリカ人はこんなことを言っていた。

コロンブスがコスタリカに到着する1502年よりも遥かに前から、この地で暮らして来た先住民。
どんな伝統文化を持ち、どんな暮らしをしているのか気になっていた。

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ある日、先住民の血を100%引き、小学校で社会の先生として先住民の伝統を教えるファビエール・マナマナ君と出会い、彼に先住民について興味があるというと、首都サンホセから1時間もかからないところに彼も暮らす先住民居住区があるから訪問しないかと、誘ってくれた。随分と近い場所に暮らしているではないか!この場所のことはホテルのスタッフに聞いても、知らなかった。

そこは、シウダー・コロン、モラというクイティリシ(Quitirrisi) 先住民居住区で、2,500人が6つの村に暮らすコミュニティーで、シウダー・コロンの街から10分ほど車で山を登った山頂に近いエリアに点在しており、標高は1,000メートル以上あった。

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先住民居住区では6村の代表で、先住民の権利運動のリーダー、オルデマール・ペレスさんが先住民の置かれている現状や伝統文化や考え方について話してくださった。

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先住民は、エネルギーを宿すものとして4つのエレメントがあると信じている。それらは空気、水、火、そして土だ。そして、大地や自然の恵みは誰のものでもなく共有し、崇め、感謝をする対象である。土地を所有する概念がなかったから、スペインが侵略して以降、どんどんと土地を奪われていったのだろう。今は土地の権利を求める運動を起こしているという。

社会的に先住民の地位は低く、今では多くの若者が非先住民との婚姻を求めているため、純粋な先住民を血を引いて生まれてくる赤子はわずか20%にまで低下しているという。

今では多くの伝統が失われつるあるが、オルデマールさんが若い頃は、森で狩りをしていたそうだ。先端に毒を塗り、弓矢で獲物を獲っていたこと。食事は一日一食で、残りは野生のフルーツなどを食べていたこと。他の村とのコミュニケーションには、法螺貝や、5つの異なる色の煙で行っていたことなどを教わった。

彼が語ったことで、最も印象に残ったことは時間の捉え方だった。

「未来は過去にある」

「現代の人々は、実際どうなるかわからない将来の計画を立てる。未来が前にあるという考えだが、我々は未来は後方にある。過去にあると考えるんだ。新しく生まれてくる子どもには、過去からの知恵、伝統や自然のことを教えている。過去に学び、将来に活かすという考えなんだ。」

これは、映画「幸せの経済学」の監督ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんが言う「懐かしい未来」そのものに思えた。

「我々は水も、食料も必要なものはすべて森から得られる。我々は経済危機が起きたって生き延びることができる。」

本当の豊かさとは何か?強さとな何なのか?深く考えさせれれた。

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同行したカンボジア地雷撤去キャンペーン、大谷賢二代表

長老の訪問後は、先住民の伝統料理を食べに。スモークした肉料理、美味しかった!

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お店の方に料理の作り方を習った。

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最後は伝統的な手工芸品の店へ。ファビエールの母の店。

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