「世界で一番貧しい大統領」の愛称で知られるウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が4月6日に初来日し、記者会見が開かれたので、出席してききました。

「間もなく81歳になるのに、25,6時間も長旅をしてやって来たのは観光したいわけではなく、日本から学びたいと思ったからここに来たわけです。日本にしてみたい質問がたくさんあります。「人類はどこに向かっていくのだろうか?」「世界の将来は、どこに向かっていくのだろうか?」という質問です」

こうやって始まった会見のハイライトを動画と共にご紹介します。

「世界で一番貧しい大統領」ムヒカ前大統領来日「私たちは幸せに生きている?」

DSCN0165私たちは多くの矛盾をはらむ時代に生きています。これまで矛盾を抱えた時代は人類にはなかったのではないでしょうか。現在私たちは多くの富を抱え、そして科学技術は発展し、進歩した時代に生きています。
こういった時代になって、私たちがしなければならない非常に大切な問いは、私たちは幸せに生きているのか?という問いです。

もちろんひとつの側面では非常に素晴らしい変化がありました。例えば150年前に比べれば、私たちの寿命は40年長くなっています。でもその一方で、私たちは軍事費に毎分200万ドル使っています。そうしたなかで、人類の半分の富を80人から100人の豊かな人が持っている時代です。私たちは、みんなが暮らせるだけのリソースは持っています。

こういった富の不均衡、大きな格差を産む現状を作ってしまった。こういう世界的、社会的なルールが支配する世界に住んでいるのです。私は、若い人にはこういった愚かな間違いを繰り返さないで欲しいと思います。

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私たちにとって人生、命ほど大切なものはありません。全ての人の命が大切です。世界について考える時も、人生について考える時も、貿易について考える時も、仕事について考える時にも、どうやったら幸せになるかと考えなければなりません。

人生が重荷になるような、苦悩に満ちた人生にならないようにしなければなりません。ですから私が若者たちが目指して欲しい世界は、小さな世界です。鳥は毎朝、さえずっと目を覚まします。毎朝起きた時に、鳥のように喜びが湧き上がるような世界を若者には目指して欲しいと思います。

誤解しないでほしいのは、貧しく生きるべきだとか、修道士のように生きるべきだと言っているわけではないので誤解しないでください。私が言いたいのは、富に執着するために、または富を求めるために絶望して生きてほしくないということです。

人間にとって、人生にとって些細なことが非常に大切な答えであることがあります。例えば、愛情を育むこと、子どもを育てること、友人を持つこと。本当に大切なことがあります。そのために人生を生きてほしいのです。

生きていること事態が奇跡だと思います。私たちが生きているこの世界が、天国になるのも、地獄になるのも私たち次第です。もし幸福を目指すなら、生きているこの世界で幸福を目指さねばなりません。もっと健全な世界ができるはずです。エゴが支配する世界ではなく、エゴがない、もっといい世界ができるんではないかと思います。





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